此処より永遠に
ブログ小ネタ




海の見える丘の上に土地を買った。
街道から入る小道に木を植えた。
アーモンドの木だ。
春になると花が咲く。
植えてから5年たったから、もう大分大きくなったはずだ。
夏には木陰になる。
海岸線が見える丘の上には石を二つ並べた。
名前はもう彫ってある。
色は白だ。
二つとも。

「ここがおまえの次の住処だ」

ここまでつれて来てそう言った。
さすがに歩くのは遅くなったな、お互い。

「…隣の名前、違ってな、」

「おまえまた老眼が進んだんじゃねぇのか?」

風が強い。
吹き付ける海風が一年中、この丘を吹き抜ける。
冬は寒いかもしれないが、雪は降らないから、それほどでもないだろう。
土の中じゃ、地上よりずっと暖かいだろうが。

「……年、取ると、……涙もろくなる、ってのは、……本当、なん、だな……」

「そうだな。お互い年を取った」

スクアーロ。
お前はいつか感謝する日が来ると言った。
いつか、俺に感謝する日が来ると言った。
ちょうど50年前の話だ。

その日はもう、来ているんだぜ。




2009.9.21
敬老の日なので爺XS最初の話など再録。
元はXSJのアンケートを書いてて思いついた場面で、そこから→爺XSいいよな!→すっごい恥ずかしい人前でいっちゃついてるXS書きたいな!→爺XSがいちゃいちゃしてるのをこっそり観察したいな!→慣れない外国で女子どもにまとわりつかれるのってよくね? …というところから爺XSが出来ました…。なんだこのアホな妄想ww
ブログ掲載は2009年4月9日

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