「おお!なんだこれは!甘いぞ!」
「おいしいイチゴが手にはいったのよう! 日本人はパンに甘いの挟むの好きだって聞いたんだけど、どう?」
「そうだな! 俺も部活帰りにはよく菓子パンを食べて極限疲れを癒したこともあった!
ルッスのこのサンドイッチは懐かしい味がするな! まるでケーキのようだ!」
それは褒めているのかどうなのか。
たぶん第三者が聞いていたらそこは突っ込むところだが、
あらゆる意味で目がくらんでいる二人には、そんなことはまったく、問題ではなかった。
「あら、了平クリームがついているわ」
「む?」
「ほら」
そう言って頬についたクリームを、ルッスーリアの太い指がすくい取って舐める。
「おお! ありがとう!」
「うふw甘いわぁww」
胸焼けしそうだった。
フツーに公園でシートを敷いて、日本人にしては背の高い男と、それよりもさらに背の高い男(といいがたいが)が、
二人でいちゃいちゃとご飯食べている姿は、いろいろな意味で公害以外のなにものでもなかった。
しかも口にしているのが、たっぷりイチゴに真っ白なホイップクリームがたっぷり挟まれている、さくさく食感もたまらないグラハムサンドというからには、なかなかシュールな絵面だと、思わないではいられない。
他人をあまり気にしないはずの欧州人でさえ、
そのあまりのアレなアレに、目をそむける家族連れの姿が、あったとかなかったとか。
「いちごは極限ルッスーリアのようだな!」
「まぁwww 了平ったらいいこと言ってくれちゃってるわねぇwwww」
勝手にやってくれ。